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不定期雑記。ひとりごとやもえがたりなど。リンクフリーです。
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脳内ちゃぶ台返しー。えすえむ進まねーよウワァンヽ(`Д´)ノ
とりあえず詰まったところまで出しとくです。続きからどぞ。
先生…電波が、欲しいです……。



「あの……ね。僕はもう、なんとなく、大体、わかったから。だから、」
 だからいちいち頬を染めて瞳を潤ませるなと言いたかった。言えるものなら。
 俯きがちに伝えられる想いと恥じらいは愛らしさ初々しさと同時に隠微な湿度も孕んでいる。とろりと蜜を湛えた花のように甘さをちらつかせて、誘う。誘われたと感じた時にはもう、性質の悪い流行り病のように己の吐く息も上がってねっとりと湿っている。ちろ、と舌で唇を湿すどうということのない仕草までもが淫らがましく見えたならもう末期だ。
 無邪気の内に混ざった複雑さ。花を貪る虫けらに等しい男には持ち得ない、女だけが持つ複雑さを仄かに垣間見せているこれは、だが未だ女ではない。
 つまりどれだけ苦心して言い訳を連ねたところで、結論はこうだ。
 結局、全ての責任は子ども相手に劣情を催している自分にこそあるのだ、と。
「タナッセの好きなこと……試して、いいよ?」
 腰から背筋にかけてを撫で上げられるような危うい感覚を抑え込んでお前にはまだ早いと拒めば眉尻を下げながらもさらっと返される。
 ───曰く。行いに制限がある分未分化でいた方が却って安心できる。だから今の内に思う存分検証しちゃって。
「…………」
 そういえばこの子どもは子どもらしからぬ聡さというか判断力というか打算的思考もしっかりと備えた、実はなかなか身も蓋もない性格であったのを思い出す。
 確かに子どもの身の安全という観点に立てば合理的な言い分と言えなくもない。生物学的には何ら制限を課されていないこちら側の事情を全く考慮していないというだけで。健全、と言い切るには哀しいかな自分でも少々障りがあると認めざるを得ないとはいえ成人した男が己の性的嗜好を『思う存分検証』するにあたって付随する生臭い危険性についてもだ。生憎さらに哀しいことに、そうした問題点も『信頼』という実に麗しい一単語によって無きものとされてしまうわけだが。
 そして最も哀しきはといえば。ひたと見上げてくる幼げでいて蟲惑的な眼差しに囚われたが最後、理性も感情も本能の奴隷とせしめるしかない、そんな処まで堕ちきった我が身に他ならなかった。


 慣れとはつくづく恐ろしい。
 華奢な手首にあてた柔らかい布も、その上から縄を巻きつけ縛っていく己が手際の上達ぶりも、行為の内実から全身全霊で目を逸らし精一杯無難な表現を選ぶならば、いわば積み上げた経験を活かした知恵の賜物だ。……ちなみに布も縄も今や寝室の寝台脇の小机の鍵付き引き出しの奥に常備されている代物で───そういうことだ、要するに。
 この数週の内に至極当然のように私室を訪ねてくるようになった子どもによって突きつけられ無理矢理引き摺りだされた事柄は数多く、自分が開き直ると案外図太い性質なのだということも身に沁みて思い知らされた。
 勿論大っぴらにできる行為では決してないが、城内のそこかしこで囁かれているほどに恥知らずな真似をしているとも思わない。

 子どもは朱に染まった顔で揃えて括られた両手首をじいっと見下ろした。おもむろに身を反転させてぼふりとタナッセの胸を背凭れのようにして上体を預けてくる。
 タナッセはその細腰に腕を回すことで迎え入れ、戯れのように肩や頬、首筋を撫でていく。僅かに汗ばんだ柔らかな肉と薄い皮膚の下で子どもを形成している華奢な骨格を衣服の生地越しに感じ取る。

 翳りゆく陽の仄暗さに沈む室内に未分化の子どもを引っ張り込んで日々寝台の上で密やかに行っている行為の、これが全貌だ。客観的に見れば自分達の関係について面白おかしく囀り合う有象無象共の戯言の方が余程えげつない内容なのではないかと思う。
 乾いた唇を舐めて無言で子どもを撫で回す男の、内心さえ読み取られなければ。

 縛られた手首にまで手を伸ばすと、いつも頭の奥がぞわりと冷える。すでに体はひどく熱く、掌にまで誤魔化しようもなく汗が含まれているにも関わらず。
 己が施した拘束を見つめて触れるたびに思考は不思議と冴えてゆくのだ。自分達がそれぞれ求めているもの、互いの欲の在り処、そういったものが酷薄なくらい明瞭に分析できてしまう。自制を強く意識するのもこの時だ。時折くすぐったそうに身じろぎする姿を醒めた眼差しで見下ろす自分は、同時にそれを恐ろしく卑猥な妄想で汚してもいる。赦しで、救いで、何をおいても守らなければならない存在であるはずの子どもを。今ならきっとどんな酷いことでもできる───
 タナッセは深く息を吸って、吐いた。
「……おい。何か罵倒のひとつでも言ってみろ」


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お、おまわりさーん……。
ギャグなんだか微えろなんだかでこの先ぶれまくりです。
そしてまだ目隠しまで到達してもいねえ。

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現在「冠を持つ神の手」にだだはまり。
二次創作したり人様の二次創作で萌えたぎったり。
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