不定期雑記。ひとりごとやもえがたりなど。リンクフリーです。
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なんか吊り橋的なイベントさえ起これば友情タナッセもころっと落とせると思って妄想してる内に気づいたんだけど、リリアノの死が絡んだタナッセの話って二次でも読んだことないなあ。
続きから小話。トッズ友情Aエンド後、トッズと主人公(♀)。
続きから小話。トッズ友情Aエンド後、トッズと主人公(♀)。
「いやお前馬鹿だろ」
思わず素で突っ込んでしまった。
「うっさいなぁ。まあとにかく、なかなか面白いものが見られたよ」
手に入れたばかりの玩具を見る子どもみたいな目をして手中の小瓶を見つめ、にやりと唇の端をつり上げた歳若い王に、いい加減呆れ果てた半眼を向けるのも馬鹿らしくなりながらもトッズは大仰にかぶりを振ってみせた。
「面白いも何もソレお前さんの額にはっついてたお肉でしょーが。もーマジこれはないわー。流石のトッズさんもドン引きー」
透明な液体に満たされた小瓶の中にはぷかぷか漂う薄っぺらい肉片。それを持った王の、本来ならば至高の恩寵が燦然と輝き卑しい民草をへーこら平伏させているはずの、それはそれはいと尊き額は───真新しい包帯でぐるぐる巻きに覆われている。
まるで出会った時のよう。なんて柄にもない追想に浸るには、飼い主様の今回の奇行はちょっと飛ばし過ぎだった。
「そう、お肉。ただの肉の切れっ端。変わったところなんてなあんにも見当たらない。勿論この国を統べる者の証なんてどこにも、ね」
王は花のように笑い、自ら短剣で削ぎ落とした自分の体の一部だったものを何故か誇らしげに揺らしてみせる。
「いやそんな無い胸張って言わんでも───……すいませんごめんなさいそんな今にも捕獲拷問命令出しそうな目で睨まないでください。……そりゃね、ぶっちゃけ陛下がお持ちのご立派な御徴、もし額の肉ごと引っぺがしてみたらどうなるのかなー、なんて、傍から見ててなんとなく考えちゃったことある奴結構いると思いますよ? 俺も考えたし。だけどまっさか間抜けな暗殺者がおいでなすったのを隠れ蓑に自分で実地検証しやがるとはねえ。さっすが俺のレハト陛下、その発想は無かったわ」
「機会は有効に活用しなきゃねー。前例については聞いたことがあるけど、やっぱり自分の目で確かめたいと前から思ってたし。あは、今度は何を調べようかなあ。傷が治ったらまた試してみたいこともあるんだ。やることが多くて大変だよ」
うふふふふ、と口元を緩める王は、良く言えば成人後も子どもの心を忘れない努力家、悪く言えば好奇心を満足させるためなら手段を選ばないひとでなしだ。
「陛下はお勉強熱心でいらっしゃる」
「だって気にならない? 14年間平平凡凡に暮らしてた田舎者を1年で悪辣な為政者に仕立て上げちゃう印だよ? 神の国とやらに行って教えてもらうまでなんて待ってられないね。僕寝台の上で大往生する予定だもん。何が何でも仕組みを解明してアネキウスに突きつけてやるさ」
「あっはー、陛下ならマジで神様悔しがらせちゃうかもね。見れないのが残念だわ。でもあんまりやり過ぎて神殿に目ぇつけられたら厄介よ? ただでさえお前さん平民寄りだの血も涙もない魔女だのって色々言われてんだからさ。ま、このトッズさんの献身的な尽力もあって陛下を信奉する皆さんも数多いですが」
「へえ、魔女? 素敵じゃん」
「うっわ拾うのそこなんだ。最後の方まるっと無視なんだ。ていうか褒めてねぇぞー。思いっきり恨み節だぞー」
魔女呼ばわりされて嬉しそうに笑う女なんて大概ろくなもんじゃない。
だからこそトッズはこの強欲で傲慢で人生を全力で楽しみまくっている小娘の傍にいる。たぶん、これからも、当分は。
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もっと越後屋と悪代官させたかったんだけど、管理人の筆力じゃこれが限界だった。ぐふ。
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